鉄剤注射はキケン!?実情と問題点についてまとめてみる

2019年1月14日

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今日(2018年12月19日)陸上競技連盟が、陸上競技選手への鉄剤注射禁止を決定しました。

そのニュース記事はこちらです。

 

使用が後絶たぬ鉄剤注射、「治療名目」も禁止へ

高校駅伝の一部強豪校による鉄剤注射の不適切使用問題で、日本陸上競技連盟(陸連)は、貧血治療名目の鉄剤注射の使用を原則禁止とする方針を固めた。これまで鉄剤注射を使わないよう警告にとどめてきたが、注射の使用が後を絶たないためだ。年度内に指針としてまとめ、中学生から社会人までの陸上選手、指導者に周知する考えだ。

引用:YOMIURI ONLINE、2018年12月19日(https://www.yomiuri.co.jp/sports/etc/20181219-OYT1T50006.html)

 

みなさんはどう思いましたか?

鉄剤注射なんて打たない方が良いと思いましたか?

貧血注射は、私も怖いなと感じる一面もありますが、いいところもあるのも事実です。

そこで、今回はこのニュースに関して、看護師として1患者として得た情報や、資料などを使いながら、考えていきたいと思います。

 

このことを考えるために、

鉄不足と陸上選手

鉄剤注射を使ってしまいたい理由

驚愕の事実と問題点

3つについて書いて行きます。

日本ならではの理由も隠されていますので、最後まで読んでいただけたら嬉しいです♪

 

そもそも体内の鉄を維持するのは、凄まじく難しいということについて書いた記事はこちら!

日本の医師は貧血について知らない人が多すぎる問題について書いた記事はこちら!

 

鉄剤注射と陸上選手

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今、世界で1番危険視されている栄養失調は鉄不足です。

日本女性の約半数の人は、鉄不足の状態であると言われています。先進国の中でも異常です。。

鉄は、酸素を運ぶヘモグロビンの原料となりますが、それ以外にもいろんな働きがあります。

 

皮膚や髪の毛、筋肉、骨を作るのにも関わっているし、

免疫力にも関わっているし、

脳の神経伝達物質を作るのにも関わっています。

詳しくはこちらの記事をご覧ください♪

 

そもそも、スポーツ選手のほとんどは貧血にならざるを得ません。

いろんなスポーツの中で最も貧血になるのがマラソン選手です。(世界的にみても)

 

そもそもたくさん酸素を必要とするし、汗で鉄分が排出されるし、足裏の衝撃で赤血球は壊れるし、女性は月経があるし。

激しい運動だと、消化管出血もするし、赤血球が壊れる周期が短くなったりもします。

参考:「統合医療」情報発信サイト 鉄(http://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/07.html)

 

鉄が、筋肉や脳の動きにも密接に関係していること、

激しい運動は、貧血にならざるを得ないことを考えると、鉄分をとることが必須であることがわかります。

海外でも、スポーツ選手に鉄剤を投与しているところがほとんどです。(ただし内服のみ)

そのことによってパフォーマンスが上がったり、副作用があまり見られないなんていう論文結果も出ています。

参考:Brigham DE, Beard JL, Krimmel RS, Kenney WL. Changes in iron status during competitive season in female collegiate swimmers. Nutrition 1993;9:418-22.

 

スポーツ選手が貧血の治療を行うのは、結構普通のことというか、すべきものであるんですよね。

ここで考えるのが、『なんで鉄剤注射を打ちたくなってしまったのか?』ということなんですが、ここには鉄分の性質が関わっています。

 



鉄剤注射を使ってしまいたい理由

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では、どうして高校駅伝の強豪校は『内服』でなく『鉄剤注射』を大会前に使用したのでしょうか?

 

普通の人が不足した鉄分を補充したいとき、食事から取ろうと考えます。

しかし、鉄は体内での再生がほとんどなので、食事の影響力は1%ないくらいなんです。

なので、食事だけで貧血の治療は行えません。(無理があります。)

 

その次に考えるのが、鉄剤の内服薬になるわけですが、

内服薬も体全体で見る影響力は、食事と変わらず1%ほどです。

 

胃腸での吸収力の問題で、少しずつしか鉄分を増やしていけません。

通常3ヶ月〜6ヶ月かけないと、貧血の状態から回復することができません。

口から鉄分をたくさんいれても、身体に吸収されるのはごくわずかで、他は便として排出されます。

 

なので、口から鉄分を補充して、鉄分過剰になることはまずないです。

そんな簡単に鉄分が吸収させてもらえることはありません。

 

鉄分過剰になると、心臓や肝臓、すい臓なんかを酸化させて、老化や機能低下に繋がります。

もし、口から入れるもので鉄過剰の状態にしようもんなら、女性はとくに凄まじい量の鉄剤を飲んだり、何年も飲み続けなければいけません。

男性や閉経後の女性はなりやすいから気をつけいといけないんですが。(月経がないから。)

 

ただ、この概念をなくせるものが1つだけあります。

それが、『鉄剤注射』です。

これは、静脈にそのまま入れるので、胃腸の吸収力を気にせずダイレクトで鉄分を入れることができます。

副作用はあまりないです。(注射そのものの。鉄過剰になるとよくないだけ。)

 

通常は鉄剤を飲んでも改善がない人(胃腸の吸収能力が低い人)や、鉄剤の副作用がひどい人が最終手段として選択するものです。

ただし、フェリチンの値を頻繁に検査して調整しながら行うのが常識です。

 

速攻効くのも事実で、貧血の状態で注射すれば、身体の調子の良さはすごいんじゃないでしょうか。

私自身も貧血の状態から2〜3ヶ月かけて正常値にすると、自分でもびっくりするくらいの変化が出ています。

その感じを1本の注射で再現できたら、みるみる元気になって、いいタイムが出るのだろう。。

 

マラソン選手が必要な鉄分だけを取ろうとすると、肉や魚を爆食いする必要があるんですが、(野菜はほぼ吸収されないので)

アスリートでは一般人の1日推奨摂取量の1.5〜2倍が目標量となるので、

月経分加算したら鉄分を(標準値)18mg✖️2➕α=約40mg は毎日取らないといけないということになります。

 

牛ひき肉なら約1700g。豚レバーなら約350g。マグロなら約2500g

これをローテーションで毎日食べ続ければいいんですが、フードファイターでも辛いですよね?

 

鉄剤注射だとすぐ効くし、鉄剤を飲み続けてもすぐはよくならないし、食事では限度があるし。

どう考えても、都合が良すぎます。

身体に悪影響が出る可能性を否定すれば。の話何ですが…

 

でも、注射をするかは医師の判断のはず!。。ん?

ということについて次に書いて行きます。

 

驚愕の事実と問題点

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私はこのニュースを読んだ時、日本医療の闇の部分が出たと思いました。

鉄過剰による身体への悪影響については、医療人なら誰でも知っている知識です。

貧血よりも鉄過剰による影響の方が医師に認識があります。(教科書で習います。)

 

鉄過剰がどれだけ怖いものなのかについて書いた記事はこちら!

 

まずは、この記事をご覧ください。

 

鉄剤注射 選手寿命を縮める有害行為だ

の検査で、血清フェリチンが正常値(1ミリ・リットル当たり25~250ナノ・グラム)の3倍近い700ナノ・グラムを超えた選手もいた。併用してはいけない鉄分の錠剤も処方していた。医師は「治療ではなかった。地元の選手だから頑張ってもらいたいという思いもあった」と取材に答えた。

引用:2018年12月19日(https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20181218-OYT1T50148.html)

 

フェリチン値が200を越えると、鉄過剰の影響が出る危険値に入ります。

医師は、監督に強くお願いされて、危険なのを知っていた上で鉄剤注射を打ったと話しています。

論外だと思いませんか??

 

つまり、医療としてではなく、人間の関係性や感情で注射を打っていたんですよね。

これはやばい。。

止めようがありませんw

 

医師法には、患者が望んだ検査や治療方針に従うべきという努力義務があります。

この努力義務がなかったら、私は原因不明と言われ、なにも治療を行えないままの状態であったでしょう。

このように、患者の意思を尊重するのは、良いことですよね。

 

しかし、時と場合によります。

『危険だと知っていた上で患者に鉄剤注射を打ったということ。』この扱われ方は変ですよね。

 

以前日本の医療も問題点についてもまとめたのですが、海外ではない自体なのかなと思います。

アメリカでこんなことしたら、医師は一生食べていけなくなってしまうのでしょう。

 

そんなことを書いた記事こちら!

 

結局医師の人間味が出てしまったことによる問題なのかなと思います。

日本の医療制度だと、患者を見れば見るほど、治療すればするほど稼げる制度なので。

 

でも、「陸上選手に治療目的でも、鉄剤注射を打つのは禁止」となると、なんだか腑に落ちない自分がいます。

鉄剤で回復しない選手は、どうしたらいいのでしょうか?(陸上をやめるしかないのか?)

 

『鉄剤注射』そのものは治療として成り立っています。

危険性もありますが、それで元気になっている人もいるんです。

『鉄剤注射』はそんな麻薬やレレッドブルみたいなものではありません。

ドーピングと違うのは、本来の身体の状態に戻すところだと思っています。

 

まぁ、結局は日本の医療がやばいということですね。

医師だけに頼らず、いろんな情報から自分の選択をしないといけないのかもしれません。

でも、今回のはびっくりしましたw

『そんなことやっていいんだ!』ってw

 

皆さんもご注意を!

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!