鉄分の取りすぎとは、どんなものなのか?

2019年1月18日

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私はここまで、鉄不足で貧血の人が多いことを記事にしてきたのですが、鉄分をとことん取ればいい訳ではありません。

鉄分が多くなると細胞を破壊し始めてしまうためです。

鉄分が過剰に身体の中に溜め込んでしまうと、鉄過剰症と言われる病気になります。

 

今回は、そんな「鉄過剰」の危険性と対策をお伝えするために、

鉄分を多く取りすぎると、どうなってしまうのか?

鉄剤やサプリメントの飲み方

2つについて書いていきます。

「どうして貧血の治療は定期的にしなければならないのか!?」についても迫っていますので、最後まで読んでいただけたら嬉しいです♪

 

鉄不足と鉄過剰。その間で維持することは、想像以上に難しいものだということを解説した記事はこちら!

身体における鉄分の働きについてはこちら!



鉄分を多く取りすぎると、どうなってしまうのか?


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鉄分は、多すぎたり少なすぎると、身体に悪影響が出ます。

月経のある女性に関しては、鉄欠乏状態である人が日本女性の約50%いると言われていますが、そうでない人もいます。

 

こんなことを言うと、貧血持ちの方は『鉄剤飲んでいるけど大丈夫かな?』と思うと思います。

私も最初この話を聞いた時はビックリしてしまったんですが、

身体のメカニズムを理解すると、そんなにすぐ鉄過剰になるものでもないことが分かりますので、安心して読んでいただけたらと思います。

 

身体に鉄分か過剰になってしまった時、体内の臓器を攻撃してしまい、肝臓、心臓、腎臓などの臓器が機能しなくなってしまいます。

鉄分が臓器にくっついて、赤サビができるように臓器の動きを止めてしまう。という研究もあります。

これは、がんや認知症、肝臓疾患、心疾患、腎疾患などのリスクになります。

花粉症のようにキャパを超えると、細胞を攻撃し始まってしまうように、上限を超えるとこの反応が起こります。

 

鉄過剰を注意しないといけない人

 

注意が必要な方は、以下のような方です。

鉄欠乏症は、成人男性や閉経後の女性にはあまりみられない。このような人は、医師から処方された場合を除き、鉄過剰症のリスクが高まるため鉄剤を摂取してはいけない。
Burke W, Cogswell ME, McDonnell SM, Franks A. Public Health Strategies to Prevent the Complications of Hemochromatosis. Genetics and Public Health in the 21st Centry: using genetic information to improve health and prevent disease. Oxford University Press, 2000.

 

このように、鉄過剰になるとしたら、リスクがあるのは月経のある女性の反対で、成人男性」や、「閉経後の女性」の方です。

そうはいっても、鉄過剰というのは、すぐなるものでもありません。

 

鉄過剰症という病気の原因の多くは、再生不良性貧血や骨髄異形成症候群などの難治性貧血疾患の方が、赤血球輸血を頻回に必要とする場合です。

つまり、輸血が多く必要な方に多い疾患であり、輸血までしない限り鉄過剰にはならんということです。

 

鉄過剰をみる血液検査の項目

 

私は、何度か医師に言われたセリフがあります。

私は、フェリチンの値だけが低値となる、隠れ貧血という病気と闘っています。

体調が悪くなる前に、フェリチンが低いことに悩んでいて、(10ng/mlで体調がとことん悪かった。)

医師に「フェリチン値をあげたいんです。どうしても上がらないんです。」と告げると、こう言われました。

 

「フェリチン値が上がっちゃダメでしょう。炎症反応みる値なんだし。上がっちゃだめだよ。」

『じゃあどうやってフェリチン値は維持できてんだよ!増えることもないと維持できねぇだろ!!』(心の声)

という疑問からこの記事は生まれていますw

 

たしかに、フェリチン値が高いと、炎症が起きているとみなされます。

上記で書いたように、細胞を破壊している状態とみなされるからです。

では、フェリチンがどのくらい高いと炎症が起こるのでしょうか?

 

肝障害の場合フェリチン値 1,000 ng/ml以上がリスクファクターであることが示され ている
引用:日本内科学会雑誌、平成22年6月10日(https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/99/6/99_1233/_pdf

 

このように、肝臓の細胞が破壊されるのに、危険値となるのが、フェリチン値1000ng/ml以上」です。

隠れ貧血もちの方なら気づいているかと思いますが、食事や内服だけでこんな値になるわけがありません!

 

また、このようなものもあります。

 

鉄過剰症重症度基準
血清フェリチン値/重症度
> 500 ng/m l  Stage1
>1,000 ng/ml  Stage2
>2,500 ng/ml  Stage3
>5,000 ng/ml  Stage4
出典:日本内科学会雑誌、平成22年6月10日(https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/99/6/99_1233/_pdf

 

このように少なくとも、フェリチン値が500ng/ml以上になると、鉄過剰症となりうるということです。

 

私は、フェリチン値が4ng/ml以下だった時、

鉄剤(フェログラデゥメット(1錠100mgくらいの鉄分))を1日1錠ずつ飲んで、

3ヶ月かけてフェリチンの値を80ng/mlにしました。

100ng/mlになったこともないです。

 

もし、私がフェリチン値を500ng/mlにしようと思ったとしたら、1年半飲み続けたらなるかもしれませんねw

そもそもそんなに長く鉄剤を飲ませてくれる医師はいません。(処方できないはずです。)

 

私に「フェリチン値は増えちゃダメ」と言った医師は、どうしてそんなことを自信満々に言ったのでしょうか?

どのくらい上昇したら炎症反応となるのか、知らなかったのかなぁ?

 

つまり、処方薬でさえフェリチンの値を500〜1000ng/mlにするのはとても難しいことなので、長期的に飲み続けるようなことさえなければ大丈夫です。

次に考えるのが、市販薬や鉄のサプリを長年飲み続ける人はどうなのか?」ということですかね?

それも含めて次の項目に書いていきますね!

 

鉄剤やサプリメントの飲み方


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鉄分を摂取しようと思う時、口から鉄剤やサプリメントを飲みますよね。

鉄分を身体に吸収するために動いているのが、「小腸」です。

そもそもの人間の仕組みとして、鉄分は小腸で必要分だけ吸収されて、余分な分は便として排出します。

その前提があっても、鉄過剰になることがあるので、正しい鉄剤とサプリメントの飲み方をご紹介します。

 

鉄剤

始めに、こちらをご覧ください。

鉄欠乏性貧血の臨床症状が認められる場合は、鉄補充が特に重要となる。
女性では、血清フェリチン濃度が15 μg/L以下であれば鉄欠乏性貧血が確認されたことになり、鉄補充が必要となる可能性がある
(CDC Recommendations to prevent and control iron deficiency in the United States. Centers for Disease Control and Prevention. MMWR Recomm Rep 1998;47:1-29.)

 

このように、鉄欠乏である人は、鉄分が多く含まれている内服薬を飲むことが推奨されています。

病院に行って貧血を指摘されたら、すぐに内服を開始するでしょう。

そのくらい普通のことです。

 

でも、長期的に処方されることはまずないです。(そういう医療上の決まりがあります。)

理由としては、副作用」があるということと、最初に述べた鉄過剰の問題」です。

医師自身が、貧血であることを認識していないのに、鉄剤を処方することはできないというものもあります。

 

鉄剤の副作用でメインとなるのが、

悪心、嘔吐、便秘、下痢、暗色便または腹部不快感などの消化器系の副作用です。

これがひどくて、鉄剤での内服治療ができない方もいるくらいです。

病院での処方で治療している方は、まず鉄過剰にはなりません!

 

なので、鉄剤で貧血の治療をしている方は、安心して鉄剤を服用してください。

定期的に、血液検査を受けて自分のフェリチン値の経過をみることも大切です。

 

私自身も、鉄剤を服用すると便秘になりやすくなってしまうので、

たまに「酸化マグネシウム(処方の便通よくする薬)に頼ることがあります。

今は、市販薬でも登場したので、処方いらなくしました。(頼むのがめんどくさかった。)

「コーラック」などの便秘薬なんかよりは、「酸化マグネシウム」が断然いいと思います!

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サプリメント

 

心配なのは、「自己管理で市販薬や、サプリメントを飲んでいる、成人男性や貧血傾向のない女性」です。

こんな方がいるかもしれません。

「健康のために鉄分サプリをずっと飲んでいるの!」

こんな方は、場合によっては危険であることがあります。

 

市販薬で有名なのは、『マスチゲン』『ファイチ』でしょうか。

1日あたりの成分量は『溶性ピロリン酸第二鉄79.5mg』となっていて、これは鉄分10mgに相当します。

処方薬の鉄剤は、1日あたりの鉄分は50~100mgがほとんどで、

市販薬は1/10くらいしか鉄分は含まれていません。

 

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一見みると、たとえ市販薬を飲み続けていても、鉄過剰にはならないだろうと思われます。

次にこちらの表をみてください。

乳児(7~12カ月)、小児および成人に対する鉄の推奨量

年齢
男性
(mg/日)
女性
(mg/日)
妊婦
(mg/日)
授乳婦
(mg/日)
生後7~12カ月齢 11 11 N/A N/A
1~3歳 7 7 N/A N/A
4~8歳 10 10 N/A N/A
9~13歳 8 8 N/A N/A
14~18歳 11 15 27 10
19~50歳 8 18 27 9
51歳以上 8 8 N/A N/A

出典:全米科学アカデミー米国医学研究所が設定した食事摂取基準(DRI)

 

アメリカは、貧血の治療や予防法が進んでおり、貧血の女性も世界的に少ないです。

この表では、成人女性は1日に18mgの鉄分を摂取するべきだとされています。

このことを考えると、月経のある成人女性は、市販薬を飲んでいたとしても、この量を摂取するのは難しいかもしれません。(市販薬は1日10mg程度なので)

 

しかし、成人男性や50歳以上の女性をみるとどうでしょう。

市販薬を飲むだけで、鉄分を過剰に取ってしまうことになってしまいます!

 

体質によっても、鉄分の必要量は変わってきますので、自分だけで貧血の対策をするのではなく、

健康診断や血液検査の値をみたり、専門家に相談してから市販薬やサプリメントを飲んだ方が良いです。

まとめ

ここまで、「鉄分の取りすぎとはどんなものなのか?」について書いてきました。

基本的に鉄過剰の状態になるのは、難しいです。

 

ただ、

「市販薬やサプリメントを自己判断で長期的に長〜〜〜く飲むのはよくないということ」

「成人男性や閉経後の女性は特に注意が必要なこと。」

「年齢や体質によって、必要な鉄分の量が変動すること」

この3つの注意点があるということを、理解していただけたら嬉しいです!

 

処方薬についても、ずーーっと飲み続けていたくなる気持ちもわかるのですが、

鉄過剰という危険性があるために、『基本3ヶ月くらいのペースで服用を止めて経過を見て、採血して…』というような定期的な治療が必要になります。

私自身も、2か月おきに必ず血液検査をして、鉄剤を服用しています。

その分、めんどくさいですが。。w

 

女性の場合は特に、鉄分の維持をする難易度が高いので、危険を理解して、正しい予防をすることが大切です!

男性でも貧血の方はいますし、スポーツをしている人だとどの年齢でも貧血になるリスクがあります。

 

人それぞれなので、心配な方は、『フェリチン』の項目を追加して、1回血液検査をしてみてはいかがでしょうか?

どこの病院でも、貧血の相談をして、要望すれば検査できますし、自宅でできるキットも販売されていますよ!

 

私も正しい知識を習得して、隠れ貧血と上手につき合っていこうと思います!

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。