【看護師がまとめる】インフルエンザ 完全版!<前半>|合併症・種類・予防
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どうも♪たむ(@tam_tamco25)です^^
インフルエンザになった時、何をしますか?
毎年のことではありますが、インフルエンザになると、発熱・関節痛・寒気・頭痛などなどの症状が辛いですよね。
「風邪のボス」と言われるだけあって、影響・力ともに強敵です!
ここでは、そんなインフルエンザのことについて、看護師と保健師の資格を持つ私が知っている情報やウラ情報。
保育園看護師時代に習得した、看病方法や注意点について、まとめられるだけまとめます!
このことを伝えるために、
①インフルの危険なところ(合併症)
②インフルに1回なっても、また感染できる!
③インフルの予防・予防接種の意味
④インフルになったかも?(疑った時の対処法)
⑤インフルの治療と看病・治りかけの罠
の5つのポイントについて、基礎知識と具体的な実践方法をまとめていきます。
すぐにでも実践できることばかりなので、この機会に知っていただけたら嬉しいです♪
※とても収まりきらないので、前半と後半に分けます!ここでは、①〜③までの予防編をお送りします!
④・⑤については、<後半>をどうぞ。
①インフルの危険なところ(合併症)
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インフルエンザの怖いところは、発熱・脱水・合併症の3つです。
それぞれの症状と、怖いところを挙げていきます。
発熱
インフルエンザは、風邪と違って急激に高熱が出ます。(※ウイルスの種類によっては、発熱しないインフルもあります。)
発熱することで、ウイルスの動きを鈍くして、免疫を活性化させます。
身体がウイルスと闘っている証拠です。
この時、薬で無理やり体温を下げようとする方もいますが、そうすると免疫が闘いきれず悪化してしまうことが多いです。
無理に熱を下げて、仕事に行ったり学校や保育園に行くことは、結局は悪化させて長引かせることになります。
しかし、42℃以上の発熱は、脳細胞を破壊し始める体温なので注意が必要です。(熱性けいれん持ちだと怖いし。)
大抵の場合は、MAX40℃付近でとどまりますが、
体力や脱水の状況をみて、ぐったりしてしまった際や、より高熱になる時は、解熱剤を使う目安となります。
38℃くらいで元気な時は、解熱剤は使わないべきです!
脱水
発熱とともに危険になるのが、脱水です。
脱水の状態になると、血液量も少なくなってしまって、ウイルスも排除できなくなるし、汗もかけなくなって、体温がぐっと上がってしまうし、高齢者などは特に、血栓のリスクにもなります。
尿の回数が少ない時は、脱水の状態になってしまっていると言えるので、病院で点滴の検討をすべきです。
(個人差もありますが、1日に尿の回数が~3回なら注意警報です。)
水分は取れるだけ取った方が良いのですが、調子が悪い時は胃腸が弱っているので、なかなか飲めないこともあります。
でも、飲まないと危険なので、工夫をして水分補給をするのが良いと思います。
お子さんが飲みたがらなかった時は、氷を舐めさせても良いだろうし。
ゼリーや好きな飲み物でもよいので、飲めるだけ飲むべきだと思います。(そのくらい飲んでいい。)
ただし、浸透圧の問題があるので、注意してください!(水だけだと逆に脱水になるんです。塩分と電解質が少ないために。)
こんな時飲む代表的なものが「スポーツドリンク」ですが、
糖分が多すぎて、弱っている胃腸の負担になってしまいます。(医療的に問題になっている。)
でも、「OS-1」は正直、美味しくないですw
なので、私がオススメするのは「スポドリの粉を水に薄めに溶かして飲む方法」です。
麦茶で十分という方もいますし、経口補水液ゴリ押し派もいますが、
ごはんも食べられてないはずなので、スポドリをより薄めて飲むのが、簡単で手っ取り早い方法なんじゃないかなと個人的にオススメです!
また、発熱している時『冷たい方が気持ちいいかなぁ?』と冷たい飲み物を飲ませるのは間違いです!
発熱している時は、胃腸が弱っている状態なので、冷たい飲み物は刺激物になってしまいます。
なので、水分補給は常温のものにすることをオススメします!
合併症
インフルエンザ脳症
原因不明で、どんな人がなりやすいのかも明らかになっていないインフルエンザの合併症です。
高熱が原因というものはウソです!関係性は分かっていません。(インフルエンザA型だとなりやすいことは分かっている。)
逆に、炎症反応の1つなので、発熱しない時になりそうな雰囲気だと私は思います。(サイトカインの大量発生が関わっています。)
他のウイルスでもなるので、インフルに限ったものでもありません!
脳が浮腫んだ状態になり、焦点が合わなかったり、意味不明な言動・変な行動を取る・けいれんするなどのちょっと変わった症状が出ます。
この症状は、一時的なものでちょっと経つと収まりますが、その後強い症状となります。
そのまま放置すると、障害が残ったり死亡率も高いです。
ちょっとでも『なんだかおかしいなぁ。』と思ったら、病院に受診してください。
病院に行った後にさらにおかしいと思ったら、すぐまた病院に行ってみてくださいね。
病院に行くと、輸液などで脳の圧を下げる処置をしてもらえます。
ちなみに、大人でも発症の例があるので、子どもだけでなく、大人も注意が必要です。
参考:厚生労働省、『インフルエンザ脳症の手引き』
二次性細菌性肺炎
高齢者に多い合併症です。
それ以外にも、糖尿病、腎臓病、心臓、呼吸器に持病がある人は時に注意してください。
この合併症は、インフルエンザウイルスが直接関わっていないところがポイントです。
インフルエンザになって、治るまでに体力を使ってしまい、免疫が下がると、いろんな菌が入りやすい状態になってしまいます。
その時に、肺に菌が入ってしまった事による肺炎です。
なので、「インフルに発症している時、いかに体力を温存して、なおかつウイルスをやっつけられるか。」がこの合併症にかからないためのポイントです。
予防のために、事前に抗菌薬を飲んでしまう方法もあるのだとか。
参考:セルフメディケーションネット、かぜ症候群、インフルエンザと肺炎について、2014年2月(http://www.self-medication.ne.jp/health/010.php)
②インフルに1回なっても、また感染できる!
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インフルは、大きく分けるとA型・B型・C型の3種類あります。
しかし、これにはもっと細分化されたものがあって、なおかつ日々進化を遂げています!
例えば、インフルエンザA型には『シンガポールA型/H1N1』と『香港A型/H3N2』他多数。
B型だと『プーケットB型(山形系統)』と『テキサスB型(ビクトリア系統)』他多数。
このように、たくさん種類があり毎年アップデートされます。
漫画「ワンピース」で、毎年悪魔の実を食べているくらいの変わりようです。
なので「今年1回インフルになったから、もうならん。」というのは大きな間違いです!
A型になった後にB型。A型「H3N2」になった後にA型「H1N1」に感染することは可能です。
逆に、1回かかると体力・免疫力が低下しているので、より感染しやすいかもしれないですよね。
また、インフルエンザの種類にはそれぞれ特徴があります。
【A型】:症状が激しく出る。
高熱、のどの痛みが強い、咳が出やすい。関節痛・筋肉痛が強い。インフルエンザ脳症の危険が高い。
【B型】:お腹の症状が主。(下痢・腹痛)発熱しないこともある。
症状が弱く、お腹風邪と間違えやすいが、確実に腹痛や下痢の症状があり、感染していきます。
保育園の様子を思い出すと、風邪よりもお腹の症状が重いことが多くて、しんどさも強い様子でした。
どんどん園内にお腹の症状が出る子が増えました。
【C型】:インフルだけど免疫がつく。免疫のない子どもが多くなるインフル。
このように、仲には重症化しやすいもの、しにくいもの、症状が激しいもの、そうじゃないものがあります。
この時期は、いつもの風邪とは違う症状があった場合は、インフルエンザを疑った方が良いです。
感染力と、しんどさは本当に強いのが、インフルエンザだと思っています。
参考:Medical Note、インフルエンザA型、2018年6月28日(https://medicalnote.jp/diseases/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%AB%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B6A%E5%9E%8B)
③インフルの予防・予防接種の意味
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予防
インフルエンザの予防方法には、いくつかあります。
感染経路は、
くしゃみや、咳で飛んだウイルスを吸い込む(飛沫感染)
ウイルスのあるところを触ってから目や口からウイルスを体内に入れる(接触感染)
の2つです。
この経路を遮断できれば、簡単に予防できます!
しかし、そう簡単に予防できないのが、インフルエンザです。
一般的な予防策は、手洗い・うがい・マスクの着用・免疫力を高めておくなどですよね。
インフル風邪予防!医療的には✖️で、一般的には◯なもの3選!の記事でもご紹介していますが、
ここでは、ちょっとしたウラ情報を4つご紹介します。
【ウラ情報①】アルコールの使い方
インフルエンザの弱点は、アルコールです。
アルコールで消毒すれば、インフルエンザウイルスは死滅させることができます。
しかし、個人的に『消毒場所が違う!』と思うことが多いです。
いつもどこをアルコール消毒していますか?
手の平?テーブルの上?床?
それもいいですが、ドアノブも一緒に消毒してください!
つまり、みんないっつも触るところの方を消毒すべきです!
スイッチ・水道の蛇口・おもちゃ・キーボードの方も除菌すると良いです。
アルコールよりもウイルス・細菌排除に効果的なのが「手洗い」です。
手洗いした後に、ドアノブを触ってリビングに入ったら「おじゃん」です!
【ウラ情報②】手洗いはうがいは、タイミングが大事!
インフル予防で手洗いとうがいをする事は、効果があるものです。
しかし、タイミングを間違えると意味がありません。
回数を増やしたいけれど、大抵の人は難しいです。
なので、最低限いいタイミングで手洗い・うがいをすることが必須です!
そのタイミングは「食事前」「帰宅直後」「トイレ後」です。
おそらく、病院内でもなければ職場などで触ったものには全てウイルスが付いています。
最低限体内に入れないための「食事前」
ウイルスは衣類にも付いていることがあるので、家族を守るための「帰宅直後」
ウイルスは長期間便や嘔吐物に含まれていることが判明したので「トイレ後」
京都府立医科大学は5月18日、インフルエンザウイルスとその遺伝子(RNA)が、粘液存在下で消化液(胃液・胆汁・膵液等)に耐性を獲得し、感染力を有したまま存在可能であることを発見したと発表した。
引用:M3.com、フルウイルス、食化液に耐性獲得、2017年5月23日(https://www.m3.com/open/clinical/news/article/531013/)
ものによっては、1ヶ月ウイルスが便に含まれ続けます!(すごすぎw)
よくある光景として、「お母さんよりもお父さんの方が先に感染する問題」があります。
それは、確実に手洗いの頻度の違いです。
お母さんは、お皿洗いやご飯を作る時に嫌でも手を洗います。
「手洗い」は感染予防の中でも最強です!
【ウラ情報③】感染しないためのマスクは、あまり意味がない!
感染予防のために、健康でマスクをする人も多いですが、あまり意味がありません。
マスクは、インフルになった人が咳やくしゃみをした時に飛沫させない効果は絶大ですが、
健康な人がマスクでATフィールドを張ることはできません。
風邪やインフルエンザに罹らないためにマスクをつけてもその効果は限定的とされています。なぜなら、顔とマスクとの間に隙間がありウイルスを含んだ飛沫の吸入を100%防ぐことはできません。また、ウイルス自体の粒子径は0.1~0.2μmですが、咳やくしゃみではウイルスに水分やほこりが付着し粒子径は5μm以上とやや大きくなるためすぐに短い距離に落下し、空間をただようことはないからです。
引用:自治医科大学付属さいたま医療センター、マスクの効果と正しい使用方法(https://www.jichi.ac.jp/center/sinryoka/kansen/taisaku_04.html)
家族や同居人、彼氏彼女がインフルになっていて、目の前でくしゃみをする可能性がある場合。
つまり、痰や唾液を直接浴びる環境にある人は、マスクをつけておくと多少は予防になります。(満員電車に乗る人は必須)
マスクよりかは、手洗い・うがいの方が確実に効果的です。
【ウラ情報④】タイムリミットは20分
インフルエンザはインフルエンザウイルスに感染している人がくしゃみや咳をすることによって、または人と会話をすることによって、飛沫(水分を含んだ小さな粒子)が口や鼻から飛び出し、それを吸い込むことによって体内に侵入します。侵入したウイルスは上気道(喉と肺の入り口の間の管)の粘膜に付着し、約20分で細胞の中に入り込みます。
引用:浜松医療センター、感染症について(http://www.hmedc.or.jp/guide/infection.php)
感染完了のお知らせは、喉の奥の方にウイルスがついて20分後です。
なので、この20分を目安にして対策すべきです。
例えば、小児科医は、頻繁に緑茶を飲んでいるという情報があります。
大抵のウイルスや細菌は、胃液に入れてしまえば死滅するからです。
ほとんどのインフルエンザウイルスも死滅できます。(中には耐性を身につけたウイルスもいるけれど。)
「うがいが頻繁にできないなら、飲み込め!」
緑茶は、抗菌作用があるのでオススメです。
うがいできない子どもには、緑茶を飲むように促すといいです。
予防接種
「インフルエンザの予防接種をするのは、インフルエンザに感染しないためだ!」
こんな考えをもつ人は多いと思いますが、これは間違いです。
インフルエンザは日々変化しており、種類も多いです。
予防接種だけで完全に感染を予防するのは無理です!
予防接種の本来の意味は、「インフルエンザに罹った時に重症化させないため。」です。
合併症・発熱の高さ・持続時間は、予防接種をすることで軽減できます。
予防接種の中身は、弱めたインフルエンザウイルスなので、準備運動しているだけです。
でも、症状が軽減することはたしかなので、予防接種はすべきではあります!
ここまでインフルエンザ完全版<前半>をお送りしました。
『インフルになったかも?』という時の対処法や、感染後の看病のコツまでをまとめた、インフルエンザ完全版<後半>はこちらです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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