児童精神科は、どんなことをする所なのか?|実際に勤務したナースが思うこと。
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どうも♪たむ(@tam_tamco25)です^^
「児童精神科」について、どう思いますか?
ちょっと怖い感じがしますか?
『なんだそれ?』と思いますか?
私は大学時代に「児童精神」に興味を持ち、日本でも数少ない専門病院で看護師として働いていました。(児童精神科病棟)
そんな私が知る情報と実体験を踏まえて、「児童精神科ってどんなところなのか?」についてご紹介したいと思います!
根拠やリアルを含めながら、「児童精神科」にも良いところがあるということをお伝えしたいと思っています!
「発達障害」 と診断される人が急増していることへの疑問と問題点について書いた記事はこちら。
児童精神科ってなに?(大人の精神科と児童精神科の違い)
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児童精神科の意味
「児童精神科」は、他の科と比べると新しい分野で、「児童精神科」のある病院も少なく、発展途上中の分野です!
そもそも「児童精神科」はどんなものかというと、難しくいうとこうなります。
児童青年期精神科医療は、子どもの精神障害などに対して、最良の治療を提供し、かつ精神的に悩む人達のハビリテーション、精神保健を含めた予防医学的活動の推進、心身の発達支援を目指す児童青年精神医学を中心とした学際的領域である。
引用:日本児童青年精神医学会、学会倫理網領(http://child-adolesc.jp/aboutus/gakkairinri/)
簡単にいうと、「児童精神科」は「子どもの精神科」です。
内科が「精神科」だとすれば、
小児科を「児童精神科」という形になります。
そもそも、精神科の病気は「脳」の構造上の問題であるので、手術や治療をして治るようなものではないんです。
なので「完治」という概念があまりありません。(ほとんどの場合)
あえて「〇〇病」と診断しない専門家もいます。
精神科での治療は、病気との一生の付き合いを前提として、病気や症状とうまく付き合っていくための「対処療法」みたいなことを行います。(多くの場合)
「児童精神科」は、この考えにプラスして、将来・未来により症状が悪化して、精神病を発症させないための「予防」をする場所でもあります。
さらに、病気でないものも対象になります。(震災などを経験して心が弱っている子や虐待児、非行児も対象になる。)
とにかく、他の分野とは全く異なることをする場所だということです!
大人の精神科と児童精神科の違い
「精神科」と「児童精神科」は、一見同じようにも見えますが、治療内容や目標が結構違います。
大人の精神科と、児童精神科の違いを簡単にまとめてみますね。
【大人の精神科】
大人の精神科は、「うつ病」「統合失調症」「不安障害」「双極性障害」などなどがメインです。
精神科では、病気の症状を「薬」「行動・認識の改善」によって生活に支障が少ないレベルに持っていくことを目標にすることが多いです。
治療の対象になる人は患者1人。
【児童精神科】
「ADHD」「アスペルガー」「自閉症」「摂食障害」などなどがメインで、「統合失調症」「双極性障害」はサブでありレアです。
なぜなら、子どもで精神病を発症する人はすごく少ないからです。(発達障害と診断されるのも、6歳以上でないと脳がそもそもできていないので、診断できません。ほとんどの場合。)
ただし、発達障害は、後々精神病を発症するリスクが高いと言われています。
なので、今困っている症状を、薬の力を借りて最小限に止める「対処療法」を行った上で、精神病の発症のリスク減らすための「予防」を行っています。
目標は、「困っている症状と上手につき合う方法を見つける」というものが多かったです。
医師の介入の対象となるのは、子どもと親の2〜3人です。
「ペアレントトレーニング」は、「子どもが辛くなっている症状に、どう対処するのがベストなのか?」を医師と共に試行錯誤する仕組みです。
子どもにとってのベストを親御さんと模索していきます。
このように、周りのサポートもひっくるめて「対処療法」と「予防」を一緒にする事が治療になっているんです。
簡単にまとめてみましたが、大人の精神科と児童精神科の違いが伝わったでしょうか?
言葉にすると難しいですが、違う病院もあったかもしれませんが、「よりベストな環境を社会全体で整えていく場所」が児童精神科であると私は考えています。(他の分野よりも学校や社会福祉とつなげる場面が多かったです。)
プラスで参考に!
・日本児童青年精神医学会、認定医(http://child-adolesc.jp/nintei/ninteii/)
→日本にまだ353人しかいない、児童精神専門医の情報です。
・現代ビジネス、病気って何?「大人の精神科医」が発達障害の概念を受け入れるまで、2017年8月24日(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/52600)
→1人の大人の精神科医が、児童精神科の思いやウラ事情を赤裸々に述べている記事です。
発達障害を伸ばす考え方
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私が「児童精神科」で仕事をしていた時に、1番楽しかったのは「一緒に遊ぶ時間」でした。
皆での共有の時間を通して、人との関わり方のベストを模索するためです。
看護師としては、細かく変化や異変を感じながらなので、その中で子どものためのベストを探していきます。(看護師は気を張りつつ関わっています。)
私なんかより頭がいい子もいれば、私なんかよりも気遣える優しい子、ゲームの腕は最強すぎる子、やけに記憶力の良い子、言葉があれよあれよと出てくる子などなど。
それぞれにすごい良さがあります。
調子が悪い時は、人が変わったようにしんどそうな表情をするけれど、1人1人持っている力はすごいものでした!
私は、オールマイティーにできる人が「天才」なのではなく、1つの分野で卓越したものがある人のことを「天才」と呼ぶのだと思っています。
なので、発達障害をネガティブに捉える見方もありますが、ポジティブな見方もできると思います。
私は子どもの得意分野を伸ばしていくというポジティブな考えがいいと思っています!
それを支援している企業や専門家もいます!
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発達障害の子ども1人1人の個性に合わせた指導を行ってくれる教室みたいな場所です。
保育園~大人までの支援体制が整っているので、継続的に支援をしてもらう事ができます。
発達障害は伸ばすことのできるものでもあります!
得意なことを見つけて伸ばすのは大変なことですが、それぞれに能力があって、伸ばせる部分もあるのではないでしょうか?
私は「児童精神科」で子どもと対戦した、卓球と将棋に勝ったことがありません。
これってすごくないですか?
小学生・中学生にいい大人が惨敗ですw(どう攻略しても惨敗でした。)
子どもにとっての得意分野を見つけて「どうぞ!」ということができたら、凄まじいパワーになると思いませんか?
「得意分野をどう見つけるか?」「どうフォローをするか?」が、すごく難しい事なんですけどね。
現実はいろんな病院があって、いろんな医師がいて、いろんな学校があって、いろんな施設があるので、そうじゃない方もいるかもしれませんが、
「児童精神科」の本来あるべき姿は「子どもにとってのベストを模索するところ」であると思います。
発達障害は、ネガティブに捉えることもあるかもしれませんが、伸ばすことのできる特性であると思います。
まとめ
ここまで、「児童精神科」とはどういうところなのか?発達障害は伸ばせる障害なんじゃないか?ということについて書いてきました。
「児童精神科」は、子どものベスト環境を整えるための場所であること。
発達障害を持つ子には、それぞれ素晴らしい能力があり、それを伸ばすポイントを合わせることができたら最強なんじゃないか?ということ。
私の個人的な意見も含まれていますが、得意分野を見つけた発達障害をもつ子は凄まじいパワーを持っていることは確かです!
自分の特性を理解して、上手に使うことができたら、誰よりも強みになると思います!(偉人も多いので。)
未だ発展途上中の分野であり、発達障害がそもそも何が原因で起こるものなのかも不明ですが、最近は研究もどんどん進んできています。
なので、今の時点で私が知っている知識や考えも変わっていくはずです。(もう間違った知識もあるのかなぁ。)
その中でも明らかになっていることがあって、支援する場所もあって、サポートする施設や制度もあります。
そういうポジティブな見方をすると、私は楽になりました♪(看護師として関わるうえで。)
いろいろな言われ方をする「児童精神科」ですが、良い部分もあることを知っていただけたら嬉しいです♪
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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